初めて聞いた医薬品だったので調べて、個人的に面白かったのでメモです。参考にする情報は、本サイトではなく、本記事の引用に書かれているサイトを参照ください。
医薬品情報
総称名 アビガン
一般名 ファビピラビル
欧文一般名 Favipiravir
製剤名 ファビピラビル錠
薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤
薬効分類番号 6250
KEGG DRUG D09537 ファビピラビル
アビガンの使用
この薬の特徴なのが、国の許可がないと使用できない医薬品とのことです。
本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。
アビガン注意事項
特徴的だなと思ったのが、精液への移行性があるということです。精液の臭いの元はスペルミンと言われるアミンとその分解物等ですが、アビガンの骨格である環状アミンはピロリジンやピペリジンなどと似ており、これらの物質は精液のような臭いですし、環状アミン類は精液に移行しやすいのでしょうか。。。
まあ、生体内のことなんて良く分かりませんが、確実に言えることとして催奇形性が懸念されているので妊婦さんや直近で妊娠希望の方はかなり気を使わないといけないですね。
動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと(「禁忌」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。本剤は精液中へ移行する1)ことから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」及び「薬物動態 2.分布」の項参照)。治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること(「禁忌」、「2.重要な基本的注意」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。
使えない人・注意する人
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(動物実験において初期胚の致死及び催奇形性が認められている)
痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者
アビガンの化学式等
有効成分に関する理化学的知見
一般名 | ファビピラビル |
一般名(欧名) | Favipiravir |
化学名 | 6-Fluoro-3-hydroxypyrazine-2-carboxamide |
分子式 | C5H4FN3O2 |
分子量 | 157.10 |
融点 | 187〜193℃ |
性状 | 白色〜淡黄色の粉末である。アセトニトリル又はメタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。 |
KEGG DRUG |
ピラジン骨格にフッ素が付いているのですね。タミフルは構造は複雑ですが、アビガンはシンプルな面白い構造ですねが、何か天然の化合物からインスパイヤされたのでしょうか。医薬品の構造は少し構造が違うだけで効果がなかったり、毒性が出たりなので、同決定していったのか開発秘話みたいなのが知りたいところです。
サリドマイドみたいな光学異性体の片方(S体)が催奇性を示すなんてのもありますし、、、と思っていましたが、それは過去言われていた話で、今の報告ではR体だけ飲んでも体内でラセミ化して不斉合成してR体だけ飲んでも意味ないのね。。。話はそれましたが驚きました。
引用元
最後に
新型コロナの治療にアビガンの使用が許可されるとのことで、調べてみました。国の許可が必要な医薬品とはなかなか。。。しかも、いろいろ衝撃的な情報が出てきてビックリしました。
医薬品の構造って面白いですね。
それに、富士フィルムの子会社の富士フイルム富山化学株式会社なんて、富士フィルムの株主の私としてはかなり興味深いです。